養老軒の素材の旅

上品な甘さで大福に新感覚

愛知県田原市 露地アールスメロン

豊川用水と温暖な気候がもたらす恵み

とろける果肉にじゅわっとほとばしる果汁。濃厚な甘さを凝縮したメロンは、西三河地方の特産品として知られています。

愛知県の南東部、渥美半島に位置する田原市は、北に三河湾、南は太平洋に囲まれ、沖合に流れる暖流の影響で冬でも温暖な気候に恵まれています。平均気温が高く、日照時間や快晴日数は全国トップクラス。そんな気候から農産物の栽培が盛んになり、1930年代にメロンの栽培が始まりました。

温暖とはいえ、大きな川がない渥美半島は農作物栽培に最適だったわけではなく、昔から干ばつに見舞われてきました。1950年に国の事業として豊川用水の建設工事が始まり、20年の歳月を経て豊川の水が渥美半島や静岡県湖西市へといきわたり、この地域の農業や工業に発展をもたらしました。

しっかりとした果肉と上品な甘さ

訪れたメロン農家は、 温室栽培が大多数を占める中、数少ない露地栽培を手掛ける太田和史さん=写真右。太田さんの畑は、日当たりが良い林の間に広がる約30アールで、2000株を栽培しています。取材に訪れた6月、収穫を2週間後に控え、大きく実ったメロンがたわわに葉の間から顔をのぞかせていました。

露地栽培は4月に苗を植え、早い物で7月から収穫が始まります。通気性の良い土壌を好むメロンは、天候による水分の変動を抑えるため、ビニールシートをかぶせたトンネル栽培で作られます。雨や風に左右され、病害虫に侵されると大きな実がつかなくなることから、土に栄養分を与えながら、強い木に育てることで良質なメロン作りに挑戦してきました。

気温が上がり始める5月初旬、黄色い小さな花がつくと1週間ほどをかけて、ミツバチを投入して交配させます。開花時期が遅れると、玉つきが悪くなり、交配前後の天候に生育が左右されます。春先の気温の急上昇は、枝葉が伸び、木が強くなり過ぎて実のつきが悪くなり、逆に長雨が続けば湿度でつるだけが伸びてしまい、良いメロンができなくなります。近年の不安定な気象条件で露地栽培は難しく、この5年で多くのメロン農家が露地栽培から手を引きました。それでも太田さんは「土に蓄えた栄養分だから作れるおいしいメロンを目指したい」と奮闘しています。

土の中には、水が通るチューブを配管し、人工的に水分を調整して湿度を管理し、メロンマットの上に寝かして大切に守られます。病気を防ぎ、均一で美しい網目を全体に行き渡らせるためには、湿度管理が欠かせません。繊細なメロンは、葉が持つ水分量が、網目の形状や傷に影響してしまい、適度な葉を残しつつ、実は空中で育っていくのがベストだそう。

出荷する最後の2週間に糖度がぐっと上がり、皮が割れて、盛り上がり、網目が完成されます。そして香りが高く、食味の良いメロンへと成長します。太田さんは、今では珍しくなった上部の両側に伸びるかんざしを残して昔からの高級なメロンのイメージのまま出荷しています。

2種類のメロンが織りなすジューシーな大福

養老軒の「甘熟メロン大福」には、アールスメロンなど網目の入った青肉系のタイプと赤肉系で鮮やかなオレンジ色の二つのタイプのメロンを使い、産地を変えながら最良のメロンを仕入れています。

見た目の二層が美しく、まろやかな甘みと上品な香り、柔らかさが織りなすこれまでになかった新鮮な味わいが楽しめます。メロン果汁の効いた白あんとともに噛みしめるたびに果汁がふわふわの餅からあふれ出す大福。メロンの最もおいしい旬の時期に、是非味わってほしい自信作です。

甘熟メロン大福は、7月4日から31日まで販売。

詳細は商品ページをご確認ください。